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発表会 その2 こども2号

こども2号はいつも踊っている。誰かが見ているから踊ってみせるというのではなく、誰も見ていなくても、鼻歌を歌いながらダンスをしていたり、トイレに行くのにヘンなステップで踊りながら歩いていったり。1号もよくCDをかけて「2号ちゃん、一緒に踊ろう!」とやっているけれど、それは遊びとしてやっているもの。2号は遊びとしてやるだけでなく、なんだか自然に体が動いちゃうみたいだし、そんなふうに動かすことが好きなのだ。だから、発表会のダンスの練習も張り切ってやっていた。
心配なのは、ちゃんと覚えているのかどうかということだった。しっかり者の1号と比べると、オトボケちゃんの2号は記憶力がイマイチ。つじつまの合わないことを言ったり、勘違いしていたりもしょっちゅうだ。本人はまったく気にしていなくて「間違えちゃった」と笑っているので、発表会のダンスも楽しくやっているだけで、ちゃんと覚えなきゃなんて気持ちはないんじゃないかと思っていた。

ところが、本番を見てびっくり。しっかり覚えていて、一つも間違えずに踊れているのだ。それに手も足も大きくきびきびと動かして、とても上手にかわいらしくできている。おまけに、声を張り上げて歌っていて、その声が会場いっぱいによく響いていた。これには1号も笑って「2号ちゃんの声、響いてるね」と何度も言っていた。楽しくできれば間違えたっていいやなんて思っていたけれど、期待した以上に上手にできていたことは嬉しい驚きだった。

もう一つ、驚いたことがあった。それは役のこと。以前、「桃太郎とカブ」で書いたように、2号の劇には桃太郎とカブが出てくると言っていたので、またいつものオトボケ2号の勘違いかと思っていたら、そうではなかったということがその後しばらくしてわかった。その劇は、「一人ではできなくてもみんなでやればできる」というテーマで、「大きなカブ」と「桃太郎」と「ブレーメンの音楽隊」の3つの物語を歌い踊るミュージカル仕立てのものだったのだ。
始めは桃太郎役をやるはずが配役が変わり、2号はブレーメンの猫をやると言っていた。ところが本番の前日、2号たちの練習を見た1号が「2号はロバのお面を着けていたよ」と言うのだ。びっくりして2号に聞いてみたが、「違う!猫さん!!」と言い張る。いったいどっちなんだろうと思っていたら、本番で2号が着けていたお面は、なんと、ロバ。
ここから先がさらにびっくりというか、不思議なことなのだけれど、劇をやっているのを見ていると、2号は自分の役が猫だと思っているわけではなく、ロバだとちゃんとわかっているのだ。ロバの出番では「ヒーム、ヒーム、ヒーム!」と言いながら飛び跳ね(ほんとは「ヒーン」だと思うけど、2号は「ヒーム」と言っていた)、猫の出番では黙っていた。それなのに、終わってからロバだったねと言ったら、また「違う!猫さん!」と泣きそうな顔で言い張るのだ。たぶん、ロバじゃなくて猫さん役をやりたかったという気持ちがそう言わせているのだろう。1号が2号の年のときには淡々と「孫娘をやりたかったけど、1号は犬」と言っていたような気がするのだが、性格の違いなのかな。
夫と私は2号の気持ちを尊重し、猫さんだと言っていた。でも1号は遠慮なく「猫さんじゃなくてロバでしょ」。そのたびに猫さんだと言い張っていた2号も、夜、夫が撮ったビデオをみんなで観ていたときにはポツリと一言、「じゃあ、ロバでもいいよ」。
その言い方にも笑ってしまったが、その後はまた「猫さん!!」と言い続けているので、笑いをこらえながら「そうだよね、猫さんだよね」と言ってみたり、「ロバもすっごくかわいくていいじゃない」と言ってみたり。
去年の発表会のビデオをこどもたちはこの1年、何度も何度も繰り返し観ていた。今年のビデオも繰り返し観るだろう。2号はいつまで自分は猫だと言い続けるのだろうか。

1号と2号の発表会は朝から夕方暗くなるまで続いた。それに付き合わされた3号の話は次回。
by roki204 | 2007-03-14 10:28 | こども2号
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