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千葉県の魚は鯛。旧天津小湊町(今は鴨川市)に鯛の浦というところがあって、日蓮が生まれたときに鯛がバシャバシャはねたとかなんとか、そんな話があったと思う。だからって、鯛なんて滅多に食べるもんじゃない。ましてや自分で料理をするなんて。

ところが、料理をすることになってしまった。近くに住んでいる夫の従兄弟が釣りに行き、たくさん釣れたので持って来てくれたのだ。私は前に一度、鯛めしもどきを作ったことがあって、そのときは鯛がなかったからほかの魚を使ったのだけれど、それを思い出した夫が母屋とうちとで魚を分けるときにハナダイを3匹もらってきた。
夫が「もらってくるよ」と言ってからしばらく戻ってこなかったので、私はてっきり、おばあちゃんと夫が鯛を「すぐに料理できる状態」にしてくれているのだと思っていた。けれど、持って来たのは釣ってきたままの状態のもの。

「頭はお吸い物にするといい、大丈夫、rokiさんがちゃんとやり方を知っているから、とおばあちゃんが言っていたよ」

夫はのんきなことを言っているが、私が知ってるわけないじゃん!!私は魚をさばいたことなんて一度もないし、目がギョロっとしているので触るのも好きじゃない。丸ごと1匹の魚で私が扱えるのなんて、ししゃもとしらす干くらいのものだ。そういうことはおばあちゃんにも前から言ってあるはずなんだけど、きっとそんなことできて当然と思っているから、忘れちゃってるんだろう。それとも、嫁いびりの嫌味?なんて夫と笑っていたのだけれど、どちらにしても、そんなふうに言われてしまっては、おばあちゃんにはどうやってやるのか聞くことはできない。
そこで実家の母に電話してみた。母は魚の扱いが上手なので、説明を聞いていたら、なんだかできそうな気がしてきた。まずは鱗を取る。それからおなかを開いて、内臓を出して・・・あれ、ヒレは取るんだっけ?このままでいいんだっけ?・・・じゃまだから取っちゃおう。気持ちが悪いけれど、あまり深く考えないようにしながら作業してみる。私がやっていると、料理というより理科の解剖。なんだかワイルドな雰囲気。
私が悪戦苦闘していると、こどもたちが「おなかすいた~」。夫とこどもたちで畑から採ってきた野菜があったので、「キュウリ食べる?」と夫。でも、包丁もまな板も私が占領しているので、「『となりのトトロ』のメイちゃんとサツキちゃんみたいに、このままかじって食べちゃいなよ」と、夫がキュウリを1本ずつこどもたちに渡すと、二人は喜んで丸かじりしていた。こどもたちもワイルドだ。
そうこうしているうちに、なんとか鯛を「三枚に下ろす」ということができた。三枚のうちの真ん中、骨の部分に身がたくさん残っていてやけに厚いようだけれど、捨てるわけじゃなく、お吸い物にするのだから気にしないことにする。そして、ネットで調べた鯛めしと、母に電話で教えてもらったお吸い物を作ってみた。
食べてみると、おいしい。すごくおいしくできた、と言ってもいいくらい。夫もこどもたちもパクパク食べている。特にこども1号は、ご飯をおかわりしてたくさん食べて、「おいしい!」と言っていた。苦労した甲斐があった!
でも、これで自信がついて、ほかの魚にも挑戦する気になるかというと、そんなことはない。夫が釣り好きじゃなくてよかったとか、タイはタイでもトム・ヤム・クンとかのタイ料理のほうが好きだなあとか、そんなことを考えている私なのであった。
by roki204 | 2006-06-19 10:25 | ひとりごと
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