お行儀の悪いアシダカグモ

蛇逃げて我を見し眼の草に残る   高浜虚子

2年ほど前、この句を講演のときに引用して話していたのは、森林科学者の藤森隆郎さん。仕事柄、山に入ることが多いけれど、藤森先生は蛇が大の苦手だそうだ。蛇に出会ってしまうと、その後は「我を見し眼」があっちの草にもこっちの草にもあるような気がしてきて、挙動不審になってしまうのだ、と言う藤森先生に、今まで以上に親しみを覚えてしまった。私もその気持ちがよくわかるから。私の場合、蛇ではなく、ゴ○○○だけど。
この季節の私は、ジェイソン・ボーンのようにあちこちチェックしながら行動している。ひょっとしたらいそうなところ、過去に出没したところにいないかどうかを確認するのだ。「過去に出没したところ」は当然のことながら年々増えていくので、確認作業はけっこう大変。しかもジェイソン・ボーンのように無駄のない動きで素早く…ってわけにはいかないので、挙動不審になってしまうのだ。
そんな私にとって、ゴを怖がらず、頼めば片付けてくれるようになったこどもたちは頼もしい存在。そしてもう一つは、千葉県名物(?)アシダカグモだ。
ゴを捕まえて食べるというアシダカグモ。食欲旺盛で、どんどん捕まえて食べるそうで、うちのこどもが持っている図鑑にも捕食中の写真がある。ゴよりアシダカグモのほうが嫌だという人もいるし、どっちも嫌だという人も多いだろうが、私は見慣れてしまったので(ゴにはどうして慣れることがないんだろう?)、ゴ駆除のために家にいてくれたほうがいいと思っている。
でも、実は、最近まで彼らの実力を疑っていた。見ていても、目の前の虫やなんかも捕まえることはないし、夏になればゴは出没するし、たいして役に立ってないんじゃないの?と思っていた。それが、先日、朝起きてきて、ふと見ると、1匹のアシダカグモがゴをくわえていたのだ。おお!ちゃんと働いていたんじゃないか!見くびっていてごめんよ、と心の中で謝り、ゆっくり食べられるようにそっとしておいた(こどもたちを起こして「見てごらん!すごいよ!」とは言ったけど)。
まあ、それはよかったんだけど。夜、家に帰ってきて見てみたら、床に食べ残しが落ちていた。ちゃんと残さず食べてねって言ったのに…。その後も、玄関に食べ残しらしき翅が落ちていたこともあったし、どうも彼らはお行儀が悪い。残さず食べるか、目に付かないところで食べるかしてほしいけれど、とにかくこれからも頑張ってほしいものだ。
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by roki204 | 2010-09-09 22:40 | 千葉のあれこれ
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