先週、チェーンソーの特別教育を受けてきた。法律によれば、これで私もこんな太~い木の伐採もやっていいことになるらしいが…
できるわけがない。 そのとき受講したのは30人ほどいたが、林業関係の仕事をしている人は少なく、ほとんどが造園やさんや電気会社の人だったようだ。斜陽産業と言われる林業、しかも森林が少ない千葉県ではそんなものだろう。学生の頃、マイナーな林学科や林業をメジャーにするにはマンガがあったらいいんじゃないか、「スラム林科」とか「野帳 島耕作」とかどうだろうか、なんて言っていた人もいたのだけれど。 『神去なあなあ日常』はマンガではなく小説だが、林業の話だ。緑の雇用の研修生が主人公だというので読んでみた。 緑の雇用とは、研修生を受け入れる事業体に対して研修に必要な経費を助成する林業の担い手対策の事業。主人公は母親と高校の担任に仕組まれ、高校卒業と同時に山奥の村に送り込まれ、おやかたさんのもとで林業に従事することになってしまうのだ。 ストーリーはありがちで、軽くてさらっと読めてしまうようなもの。それでも読後感が爽やかなのは、「林業をやっている人たちは大らかでのんびりしてて、どこかいい加減」と感じている著者に、私が共感しているからだろう。 肝心の林業については疑問を感じるところもあるが、よく調べて書いていると思う。人工林での作業のこと、なぜそれが必要なのか、など。山仕事はきつくて危険だけれど、楽しくやりがいのあるもの。そんなふうに描かれている。この本の帯にあるように「林業っておもしれー」と思ってもらえるのではないだろうか。 ちなみに、私がいた頃はマイナーだった林学科にその後は学生、それも女性が増えたのは、マンガや小説のおかげではなく、学科名が「森林科学~」とか「環境~」に変わったせいだった。それに対しては複雑な思いがあったのだが、最近では林業をめざして林学系の学科に入ったのに、林業よりも森林学にシフトしていることに不満を持っている女子学生が多いということを森林ジャーナリストの田中さんのブログで知った。『神去なあなあ日常』を読むまでもなく林業をめざしている頼もしい後輩たちがいることを嬉しく思いつつ、彼女たちの思いの受け皿はあるのだろうかとちょっと心配。
by roki204
| 2009-08-06 00:41
| 本や映画
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