最近読んだもので、印象に残ったもの。
憲法に関するHPで、憲法とは国民が権力の側に守らせるものだということが書いてあった。国家は国民の生活に干渉してはいけない部分があり、それを守ることが憲法の重要な目的であり、それが立憲主義なのだ、と。 そういわれてみると、学校で習ったか本で読んだかしたことがあるけれど、すっかり忘れていた。こんな大事なことを忘れていたなんて、とショックを受けた。 もう一つ、最近読んだ緒方貞子さんの『私の仕事』という本から、長くなってしまうが引用する。 「国連では何度も人権問題を担当してきたが、私は「人権屋」ではない。人権の見地に立つと権力に対峙して人権を守ろうという発想になるが、人道援助の場合は、権力側をいわば取り込むことによって人間の生命や尊厳を守ることに努めなければならない。 私がこの十年向き合ってきた難民はみな犠牲者であり、確かに多くの場合が政権の犠牲者、権力の犠牲者たちだ。この犠牲者の人権を守ろうと権力側と戦ったところで、必ず彼らの生命を保全できるかというとそうはいかない。その流出した人たちにどういう手当てをするか。食糧、医療、教育の機会を与えることは、人権としてだけでなく彼らが現実に生きるために必要となる。そして彼らが望むのは安全に家族と一緒に通常に暮らすことができるようになることだ。それを人道の見地から権力側に要求し、応えてもらうことが現実には必要だ。 戦争はいけないと叫んでみても実際に戦争があって、一番弱い人たちが犠牲になっているのだから、まずは目前の被害者を保護しなければならない。その上で状況がよりよくなるチャンスをつくっていくほうが実践的である。」 この部分は中ほどに出てくる。実は、読んでいて権力側に対する批判が全然出てこないことを少し意外に思っていたのだが、この部分を読んで納得した。 けれど私は国連難民高等弁務官ではないので、各国から任意拠出金を集めて事業を実施するわけでもない。だから権力側を取り込むという考え方も時には必要だけれど、憲法を大事にして、憲法によって権力側が暴走しないように監視する、抑えるという意識を持つことが大事だと思った。 一見、こどもたちとも千葉県とも関係のない話題だけれど、憲法について考えることも、難民問題について考えることも、弱者にされた人たちを弱者のままにしない、という点でつながるんじゃないかと思うし、そういう社会を作っていくということは、こどもたちのためにもやらなければいけないことだと思う。 ・・・と、ちょっと強引にこどもたちのことに結びつけておいて、今日はおしまい。
by roki204
| 2006-03-01 23:51
| 本や映画
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