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ピアノの発表会

今年もピアノの発表会があった。

こども2号にとっては、初めての発表会。まだ習い始めて8ヶ月と日が浅いので無理に出なくてもという話もあったが、1号も出るし、大好きな先生と一緒に弾けるし、2号はとても張り切っていて楽しみにしていた。
曲は「チューリップ」と「やまのおんがくか」。「やまのおんがくか」は八分音符が出てくる。しかも小指・薬指で弾くソファもだ。左利きの2号にとっては、余計に力が入りづらく、難しかったのではないかと思う。練習しているときには、発表会までに間に合わないのではないかと思っていた。でも、いつの間にか形になってきて、ソも小さな手で空手チョップのよう頑張って弾いていた。本番では先生との連弾をとても楽しんでいて、曲と曲の間では、客席のほうを向いてにっこりする余裕まであり、本当に上手に弾けていた。
2号の先生であるI先生は、2号のことをとてもかわいがってくれている。こんな子どもがほしいとまで言っているくらいだ。いつもにこにこしていて甘え上手なおとぼけ2号なので、かわいがられるのはわかる気がする。でも、「頭が良くてもの覚えがいいですよね」の言葉には夫も私もびっくり(2号、ごめん)。先生が言うには、曲を弾くときにドレミですぐに覚えてしまって弾けるのだそうだ。へー、そうだったのか。すごいね、2号。その調子でこれからも続けていけるといいね。

1号は、実は、発表会の直前に「発表会に出ない、ピアノはやめる」と言い出していた。そのときはうやむやになったのだけれど、翌日くらいには「発表会には出る、ピアノは3月でやめる」に変わり、またその翌日くらいには急にやる気が出てきて、3月にやめるという思いは変わらないものの、発表会の練習は張り切ってやり、「楽しみ♪」、「発表会が終わった後の宿題は『マーチ』だよ」などと言っていた。そして本番では「こどものうた」も、難しくて苦労していた「もりのおんがくかい」も、とても上手に弾けていた。
発表会出たくない発言に関しては、先生も心配して、「私が難しすぎる曲を選んでしまったせいで、とても頑張っていたのになかなかほめてあげられなかったせいだ、申し訳ない」とまで言っていた。なので、本番が滞りなく終わった後には「今日は一番(「いーっちばん!!」って感じに強調して言っていた)上手に弾けていました!もう涙が出そうになりました。ほんとにいつもひたむきに頑張っていて、えらいですよね」とほめてくれた。そばにいた1号はあまり関心がなさそうで、聞いているのかいないのかという感じ。そして、先生としては4月から小学生になってもレッスンを続けたらいいと思うというようなことを言っていたけれど、1号は、“続けるつもりはないけれど、そうはっきり先生に言うのも憚られる”といった表情で黙っていた。

こどもの習い事というのは、興味を持ったものがあればなるべくやらせてやりたいし、やりたくないというものを無理強いしてはいけないと思う。でも、あんまりきまぐれにやったりやめたりというのも困る。それに、「やりたくない」という理由をよく聞いて、それ自体が嫌なのか、何か別の嫌なことがあるのかを見極めてから、続けさせるかどうかの判断をするべきだろうと思う。
1号の場合、ピアノ自体は好きで、これからも自分で好きな曲を弾いて遊びたいとは言っている。でも、そのためには基本ができていないと楽しめないので、もう少しレッスンは続けたほうがいい。それがわからずに、もう十分だと思っているのかもしれない。それとも、先生との相性が悪いのか。もしかしたら、発表会が嫌だというだけなのかもしれない。そういえば、去年も「発表会が終わったらやめる」と言っていたのに、終わったらまたやる気になって続けることにしていたっけ。そこで、好きな曲を弾けるようになるためにはレッスンを続けたほうがいいこと、レッスンは続けても発表会には出ないようにすることもできること、別の先生に習うというやり方もあることを説明した。1号は「もう少し考えてみる」と答えた。

そんな話をした翌日だっただろうか。1号が言った。
「ママ、大大だーい好き。なんでかわかる? ママはすごくかわいいから」
私は、「ありがとう。ママも1号が大大だーい好きだよ。1号はすごくかわいいし、優しいし、いつもおもしろいことを言ったりやったりして笑わせてくれるから」と言った。すると1号、
「それに、いつも頑張ってるから?」
ふーん、先生がほめていたときは他人事のような顔をしていたくせに、ちゃーんと聞いていて、喜んでたのか。私が「いつも頑張っていて偉いけど、頑張ってても頑張ってなくても大好きだよ」と言ったのも、聞いていないような顔をしながらちゃんと聞いているのだろう。
山に降った雨がゆっくりと地中にしみこみ、長い時間をかけてろ過されて、ひょんなところから思いもかけないときに湧き水になって出てくる。1号にはそんなところがあると、思うことがある。ピアノを続けるか続けないかも、よく考えて自分なりの答えを出すのだろう。「続ける」と言ってくれることを願いつつ、プレッシャーをかけないよう気をつけながら待つことにしよう。
by roki204 | 2007-12-19 23:54 | こどもたち
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