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家族のカタチ

「うちは5人家族だよね。1号でしょ、2号でしょ、3号でしょ、ママでしょ、お父さん」

こども1号が言った。
そうか、5人だと思うのか。まだこどもたちが小さかった頃に、こどもたちはうちを何人家族だと思うんだろうねと夫と話したことがあった。うちとは別棟だけれど、母屋には夫の両親、おばあちゃんがいる。だから8人家族と思うんじゃないかなと話していたのだ。5人と言うとはちょっと意外。
けれど、これはたぶん、保育園の友達で祖父母と一緒に暮らしていない子と話をしていたからじゃないかと思う。うちでは「何人家族」なんてことを話したことはないから、じいじやばあばも含めるものだとは思わなかっただけだろう。まあ、そういうことはおいおい話せばいいかと、そうだねーと答えたら、続けて1号が言った。

「Rちゃんちは何人家族か知ってる?」

あ、イヤーな予感・・・。

「4人だよ。Rちゃん、Aちゃん、お母さん、お父さんだもん」

やっぱりそう来たか。あのね、Rちゃんちはお父さんはいないよ。

「えーっ、なんでー!?」

お母さんとお父さんは一緒に暮らすのをやめちゃったから、と言ってみた。Rちゃんの両親は離婚したのだ。こどもにとっては自分のことが基準となるのだから、1号にお父さんがいないと言っても意味がわからないだろう。わけがわからないという顔をしていた。逆に、1号の友達でまだ小さい頃に両親が離婚した子は、ほかのうちではお父さんがいるというのを不思議がっていたとか。

少し前に、家庭科の教科書で一人親の家庭についてのコラムを載せようとしたら、検定で削除されたということがあったように思う。「多様化する家族」について書こうとしても、それを「歪んだフェミニズム」などと言って排除しようとする勢力が存在する。両親がいて子どもがいるというのが「標準」だと言って押し付けようとしている。
現実にはどうなのかと言うと、例えば、1号の同級生では3分の1以上が離婚している母子家庭。その人たちがみんな声高にフェミニズムを論じているかというと、そんなことはない。それぞれの事情でベターなほうを選択した結果だろう。それを「歪んでいる」とか「標準からはずれた家族」みたいに言うのはおかしなことだ。
それでもまだ母子家庭は想定の範囲内なのだろう。少なからず父子家庭もあるはずだけれど、保育園に提出する家庭状況調査表に、「父不在」という項目はあっても、「母不在」という項目はない。それを見るたびに、父子家庭ではどこに○をつけるのだろうかと心配になる。
ほかにも、子どものいない家族や同性愛カップルの家族などもあるだろう。ただ、いろいろなカタチの家族が増えてきていると言っても、いわゆる「標準」がまだまだ多数派だとは思う。でも、むしろそれが多数派だからこそ、わざわざ教科書でそういう家族のイラストなどを使わなくてもどこでも見ることができるからいいじゃないか、少数派のほうこそ教科書に載せるべきじゃないか、と思う。
家族というものが多様化するとお上には都合の悪いことがあるのかもしれないが、こどもたちにはいろんなカタチがあっていいんだと教えたい。
by roki204 | 2007-08-19 11:50 | ひとりごと
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