「ニュー・ワールド」

昨日は健診のあと、映画を観に行った。「健診のあと映画」というのは私の定番コース。仕事は1日休みをもらえるけれど、健診は1、2時間もあれば終わってしまう。こどもたちは4時まで保育園。となれば、平日ですいているんだし、割引券もあるし、「映画で胎教しよう!」というのも当然のこと。産休に入ってからも、いっぱい観にいくつもりだ。だって、産まれてしまってからは当分の間は行けなくなるんだから。
こども1号のときにはもっと南の方に住んでいたし、車の運転もあまりしていなかった頃なので、そんなに観ていない。2号のときは予定日1週間前にも「チャーリーズ・エンジェル・フルスロットル」を観た。今回も、すでに「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」、「フライト・プラン」、「有頂天ホテル」、「ナルニア物語」を観ている。
昨日は「ニュー・ワールド」を観た。「Vフォー・ヴェンデッタ」と迷ったけれど、PG12指定なので胎教には向かないかと思い、「ニュー・ワールド」にした。

※以下、ネタバレあるので注意!

この映画はテレンス・マリック監督作品。テレンス・マリックは寡作で有名だけれど、作るとなると多くの俳優がどんなチョイ役でもいいからと出演を熱望すると言われている。前回の作品は98年に、20年ぶりで作った「シン・レッド・ライン」。太平洋戦争の激戦地ガダルカナル島の若い兵士たちを描いている。激戦地と言っても映画の中で戦闘の描写は少なく、同じ頃に作られたスピルバーグの「プライベート・ライアン」とは対照的。マリックは自然の描写がとても多く、それがまた素晴らしくきれいなのだ。自然が美しいからこそ、戦争をすることの愚かさが際立つ、そんな映画だった。そして兵士たちは極限状態の中で、「生と死」あるいは「正気と狂気」の境である「細く赤い線」をあっさりと越えていってしまう。
これの20年前につくられた「天国の日々」のほうがよかったという人もいるようだけれど、私はそれは観ていない。でも「シン・・・」がすごくいいと思ったので、「ニュー・ワールド」もいいんじゃないかと思って観ることにしたのだ。

「ニュー・ワールド」はネイティブアメリカンの女性ポカホンタスとイギリス人入植者の男性との愛の物語。ポカホンタスは実在の人物だけれど、彼女は読み書きができなかったそうなので、今、伝えられている話は後世の人を通したものであり、彼女が本当はどう考えていたのか分からない部分や誇張されている話もあるそうだ。
この映画では、ポカホンタスがどうして入植地で暮らすようになったのか、どうして最初に恋に落ちたスミス大尉とではなく、別の男性と結婚することになったのか、というようなことはまあ納得できるような形の話になっていた。
そして、ネイティブアメリカンの国が楽園として描かれ、入植地の砦は反乱が起きたり、争いがあったり、入植地での生活が過酷であるために人間の醜い部分ばかりが表れてしまっているように描かれている。
でも・・・なんとなーく、入植者側の視点で描かれているような気がしてしまった。ネイティブアメリカンの国は楽園だった、でもしょせん楽園なんて儚いもの、いつかはさめる夢のようなもの、長くは続かないもの。だからしょうがないんだ。とでも言うような入植者側の身勝手な視点で、責任とか反省というようなものは感じられなかった。それは私がそう感じてしまっただけで、マリック監督の考えがどうなのかはわからないけれど。
自然の描写は期待通りに美しかった。それと、ポカホンタス役のクオリアンカ・キルヒャー。入植地に来てからは魂が抜けたようになってしまうけれど、自分の国にいた頃は自然の恩恵を全身に受けて生き生きと輝いていて、魅力的だった。ポカホンタスという名前は本名ではなく、こどもの頃のニックネームで「小さないたずらもの」という意味だということは今日知ったのだけれど、それがよく表現されていたと思う。
蛇足ながら付け加えると、今まで「アメリカン・サイコ」や「マシニスト」でへんな役をやっていたし(どちらも観てはいないけれど)、私の嫌いなトム・クルーズにちょっと似ているので、この映画でも実は悪い人なんじゃないかと疑っていたクリスチャン・ベール演じる夫、けっこういいやつだった。
そういうわけで、奥の深い、いろいろ考えさせられる映画だったにも関わらず、「私も結婚してここに引っ越して来たときは、外国に来たか、数十年前にタイムスリップしてしまったか、というようなカルチャーショックを受けたけれど、だいぶなじんできたことだし、これからもポカホンタスのようにたくましく生きていこう。それが私の『千葉らしき哉、人生』だ!」というのが私の感想だったりする。なんだかなあ(笑)
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by roki204 | 2006-04-28 00:28 | 本や映画
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