こどもの記憶

私には中学生の姪がいる。数年前から彼女と話しているときや、姉つまり姪の母親から話を聞いたときに、私が同じ年頃だった頃のことを思い出すようになった。彼女は、私とはかなり違うちょっと変わった環境で育ってきているけれど、性格とか好きな本とか似ている部分もある。そういうことを思い出しながら話すのは楽しい。
うちのこどもたちだと、まだそういうふうにはいかない。まだ4歳と2歳なので、その頃の記憶は私の中に断片的にしか残っていないから。
そうやって考えてみると、こどもたちが今経験していることのうち、数年後、数十年後には、どれだけのことを覚えているんだろう、というのが気になってくる。私が覚えていることで一番古い記憶は2歳のときのものだけれど、三島由紀夫は生まれたときのことを覚えていたらしいし、おなかの中にいたときのことを覚えているというこどもたちの本を読んだことがある。
こども1号は記憶力がよくて、ときどきずいぶん前のことをこんなことがあったよねと言い出す。2歳になる前、まだろくにしゃべれなかった頃でさえ、突然2、3ヶ月前のことを思い出してベビーサインで話し始めたので、びっくりさせられたことがあった。私にとってはたいしたことではないようなことを覚えていることもあるので、何がこどもに強い印象を残すのか、よくわからないところがおもしろい。
こどもの頃の記憶、ということからは少し離れてしまうが、こども1号はジグソーパズルが得意ですぐに覚えてしまうという点でも記憶力がいい。でも、その記憶のしかたが大人とは違っていたみたいだった。
1号が2歳の頃、義父が買ってきてくれたジグソーパズルはピースが50以上もあって、絵は犬が30匹くらいいるもので、ダルメシアンやチワワやチャウチャウなど、全部が違う種類の犬だった。大人がパズルをやる場合、絵全体を記憶しておいて、ピースを手に取り、それが全体の中のどの部分か推測してつなげていくというのが普通のやり方だと思う。そういうやり方だと、ピースの上下左右の向きはたいていわかるけれど、正確な位置はわからず、だいたいこのあたりと見当をつけて、つながりそうなものがあったらつなげてみて・・・というふうに置いていく。
1号はピースを一つ渡すと、瞬時にそれがどの位置にくるのかわかって、正しい場所に置くことができた。けれど、ピースそれぞれの上下左右の向きはなかなかわからなかった。その様子を見ていると、絵全体を記憶して・・・というやり方ではなく、ピースそれぞれを形や色で覚えて、その一つ一つがどの位置にくるのかということを記憶しているようだった。そんな覚え方じゃ効率が悪いんじゃないかと思うけれど、効率うんぬんの問題ではないのだろう。
4歳になった今では大人と同じようなやり方をしているように見えるので、小さいこどもに特有のやり方なのかもしれない。そう思って、今、2歳のこども2号を観察してみる。ところが2号はジグソーパズルが好きでも得意でもないらしい。たった9ピースのパズルも「ママやって~」と言っている。
記憶って、大人とこどもの違いよりも個人差のほうが大きいのかもしれない。
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by roki204 | 2006-04-01 11:10
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