いしび

千葉県の匝瑳市の人たちと話していたら、「いしび」という言葉が出てきた。ヒノキのことを「いしび」というのだそうだ。
ヒノキはよく燃えるので、木をこすり合わせて火をおこすときに使われていたことから「火の木→ヒノキ」となったとも言われている。「いしび」という呼び名も「火」に関係がありそうだから、同じような理由からだろうか。
初めて聞いた言葉だったので、ごく限られた地域で使われている言葉なのかと思って先輩に聞いてみたら、千葉県内ではほかの地域でも使われているらしい。
それならどこまでだろうと思い、ネットで調べてみてびっくり。「いしび」という別名はほかの地域でも使われているのだが、千葉ではヒノキの別名なのに、茨城・栃木ではアスナロのことを言うのだそうだ。アスナロと言えば、井上靖の『あすなろ物語』でもおなじみの、「明日はヒノキになろう」から「アスナロ」という名前になったと言われる木だ(この説は間違いとも言われているが)。千葉のお隣の茨木で、ヒノキと似ているアスナロを同じ「いしび」という別名で呼んでいたのではややこしいことになりそうだ。
そして、もっとびっくりしたのは奄美大島ではサンゴジュのことを「いしび」と言っているということ。サンゴジュはヒノキともアスナロとも全然違う木だ。そして、おもしろいことに、よく燃えるヒノキと違い、サンゴジュは燃えにくいので延焼を防ぐための防火樹としても使われるのだ。
火に関することで正反対の働きをする木が、遠くはなれたところでは同じ名前で呼ばれている。なんだか不思議で、おもしろい。
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by roki204 | 2009-06-27 17:05 | 千葉のあれこれ
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